◇5年生理科の学習で,「流れる水のはたらき」の単元があります。
教科書に,増水した川の写真があります。
茶色に濁った川の写真です。
橋の下にまで川がきています。
雨も降っていて,水が流れ込んでいます。
この写真をつかって,一時間の授業をすることになっています。
写真をつかっての学習は,よく行われています。
理科では,何回も出てくる授業場面です。
ここで,次の問いに答えられるでしょうか。
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「一枚の写真をつかって授業をします。
どのような発問・指示をされますか」
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◇発問・指示の仕方,順番にも,『定石』があります。
まず,最初に聞くべきは何でしょうか?
そして,次に聞くべきは何でしょうか?
発問をするなら,できれば,討論になるような発問がのぞましいです。
◇ちなみに,私のクラスは,このたった一枚の写真で討論をしました。
しかも『少数派が正解』という驚きも引き起こしました。
さて,どのように尋ねればよいのでしょうか。
◇子どもたちは,授業に熱中しました。
これは,私がすごいのでも何でもなくて,ただ単に,「こういう資料のときは,こういう発問をするものです。」という定石を知っているというだけなのです。
だから,定石を知っている人からすれば,こんなのは,すぐに答えられるのです。
しかし,定石を知らない人からすれば,どうでしょうか。
おそらく,最初に何を発問・指示し,次に何を発問・指示するのかが答えられないと思います。
◇ちなみに,学生さんで,この質問に答えられた人は「皆無」です。
これは,単に「定石を知らない」ということだけなのですが,知らないと「0点」なのです。知っていれば,すぐにわかって「100点」なのです。
これが,教育技術・方法を知っている人と知っていない人の悲劇で,知っている人は苦も無く楽しい授業ができ,知らない人は苦労して楽しくない授業しかできないのです。
◇どのように尋ねたらよいのかは,新著に書きました。
こういった定石を知ることが,まずは「授業づくり」において大切になってきます。
「スペシャリスト直伝!理科授業成功の極意」(大前暁政著)明治図書