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大前暁政の21世紀の教育記録

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スペシャリスト直伝!理科授業成功の極意

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◇5年生理科の学習で,「流れる水のはたらき」の単元があります。

 教科書に,増水した川の写真があります。

 茶色に濁った川の写真です。

 橋の下にまで川がきています。

 雨も降っていて,水が流れ込んでいます。
 
 この写真をつかって,一時間の授業をすることになっています。

 写真をつかっての学習は,よく行われています。

 理科では,何回も出てくる授業場面です。

 ここで,次の問いに答えられるでしょうか。

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「一枚の写真をつかって授業をします。
  
  どのような発問・指示をされますか」

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◇発問・指示の仕方,順番にも,『定石』があります。

 
 まず,最初に聞くべきは何でしょうか?

 そして,次に聞くべきは何でしょうか?
 
 
 発問をするなら,できれば,討論になるような発問がのぞましいです。

 
◇ちなみに,私のクラスは,このたった一枚の写真で討論をしました。

 しかも『少数派が正解』という驚きも引き起こしました。
 
 さて,どのように尋ねればよいのでしょうか。

 

◇子どもたちは,授業に熱中しました。

 これは,私がすごいのでも何でもなくて,ただ単に,「こういう資料のときは,こういう発問をするものです。」という定石を知っているというだけなのです。

 だから,定石を知っている人からすれば,こんなのは,すぐに答えられるのです。
 
 しかし,定石を知らない人からすれば,どうでしょうか。

 おそらく,最初に何を発問・指示し,次に何を発問・指示するのかが答えられないと思います。



◇ちなみに,学生さんで,この質問に答えられた人は「皆無」です。
 
 これは,単に「定石を知らない」ということだけなのですが,知らないと「0点」なのです。知っていれば,すぐにわかって「100点」なのです。

 これが,教育技術・方法を知っている人と知っていない人の悲劇で,知っている人は苦も無く楽しい授業ができ,知らない人は苦労して楽しくない授業しかできないのです。


 
◇どのように尋ねたらよいのかは,新著に書きました。

 こういった定石を知ることが,まずは「授業づくり」において大切になってきます。



 「スペシャリスト直伝!理科授業成功の極意」(大前暁政著)明治図書 
by akimasaomae | 2011-06-04 00:47 | 楽しい理科授業
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