◇理科の研修会に行ってきました。
そこで,理科教育が危機に瀕しているという話が出ました。
まったく同感です。
◇今後,10年間で,全国の教員のうち,20万人が退職します。
もちろん,ベテラン教師ばかりが退職していきます。
そして,ベテランの代わりに,新米教師が赴任しています。
ちなみに,20万人というのは,教員全体の34%にあたります。
つまり,3分の1の教師が,ベテランから若手になるということです。
◇今年の教員採用試験の倍率は軒並み下がっています。
かつてないほどの,大量の採用数になるからです。
多くの新米教師が現場に出てくることになります。
◇科学技術振興機構の調査(2008年)では,経験10年目未満の小学校学級担任の80%以上が,理科の授業に自信がないと答えています。
経験5年未満教師にいたっては,なんと90%以上が,理科の指導法に自信がないと答えているのです。
◇そして,理科に興味をもつ子どもの割合は,国際的に見ても,日本は低いことがわかります。(例えば,TIMSS2007調査結果など)
理科好きの子が,国際平均に比べてかなり低い。
理科嫌いの子が増えている。
理科を教えられない教師が増えている。
◇これらの原因は何でしょうか。
たった一つに絞るなら,原因は何でしょうか。
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理科の授業の進め方を教えられていない。
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これにつきると思います。
現場に出る前に理科の授業について学べないのであれば,どうしたらよいのでしょうか。
現場に出てから,学ぶしかありません。
ところが,です。
ベテランが大量に退職していくため,授業のやり方を伝達する機会がなくなっているのです。
今こそ,理科の授業をどう進めるかのイロハを示した本が必要とされています。
私が,理科の原稿を発表しているのも,理科教育の発展に少しでも貢献できたらと思うがゆえなのです。