◇子どもにとって価値ある「理科授業」をするには,次の3つが必要になります。
①授業技術
②授業づくりの方法
③ネタ
◇「授業技術」というのは,「授業自体の進め方」です。
授業を,実際に,どのように進めていくかの技術が,ここに入ります。
例えば,「発問」,「指示」,「説明」の仕方のことです。
◇「授業づくりの方法」とは,授業の組み立て方,です。
1時間の授業展開から,単元構成をどうするのか,がここに入ります。
◇「ネタ」とは,「教材」のことです。
理科は,科学の知識が必要となりますし,実験器具のことを知る必要もあります。
◇さて,理科授業に必要な3つの力。
今までの発刊されてきた「理科書籍」の中で,どのことについて述べた書籍が多いでしょうか?
・・・・これは,予想がつく人も多々いることでしょう。
◇理科関係書籍の中で,どの分野のものが圧倒的多数なのか。
それは,「ネタ本」です。
「ネタ本」とは,例えば,実験の仕方,教材の情報,実験器具の紹介,科学的な知識の紹介・・・,に関する本です。
理科ならではの現象と言えるかもしれません。
理科書籍の,ほとんどが,「ネタ本」です。
◇確かに,「ネタ」を知れば,授業がうまくいくような気がします。
「実験は,この手順でやろうね。」
「実験の映像もあるよ。」
確かに,授業がうまくいきそうです。
◇ところが,理科の授業はネタだけでは,うまくいきません。
それは,あたかも,ネタが新鮮でおいしくでも,料理の腕がないと,ネタが台無しになることに似ています。
◇理科の授業における発問はどうするか?
指示はどうするか?
説明は,どの程度するか?
ネタ提示の仕方をどうするか?
発問の順序をどうするか?
どこを子どもに考えさせて,どこを教師が説明するのか?
板書の順序は?
ノートの書かせ方は?
論争のさせ方は?
結果から結論を出させて,それを交流させるやり方は?
山場をどうつくりあげるか?
◇こういった,「授業技術」,「授業づくり」に関する内容が含まれた理科書籍が,求められているのです。
もちろん,心ある先達は,そのような理科書籍をつくってきました。
理科の科学的知識や,教材研究に片寄った理科書籍をいくら読もうが,授業の腕とは関係ないのです。
授業の腕を上げるには,授業に関する本を読むしかないのです。
それも,プロとしての筋金入りの技術を紹介した本で,学ぶしか方法がないのです。
◇理科教育に携わる方に,是非聞きたいと思っていることがあります。
「理科研究室を出た学生でも,理科授業が苦手なのは,なぜだと思いますか?」
子どもの理科嫌いに歯止めをかける方法を,探っていくことが肝要です。
拙著の理科書籍の中では,明確にその役割が分かれています。
「授業技術」に関する本 →
「たいくつな理科授業から脱出する本」 (教育出版)
「授業づくり」に関する本 →
「理科の授業が楽しくなる本」 (教育出版)
「授業技術・ネタ・授業づくり」をまんべんなく紹介した本 →
「スペシャリスト直伝!理科授業成功の極意」 (明治図書)
「実際の理科授業ライブ」 →
「なぜクラスじゅうが理科を好きなのか シリーズ」 小3~小6年(教育出版)